プロ選手の戦力外通告あれこれ
南半球のスーパーラグビー、北半球のプレミアシップやTop14などのリーグは、
プロフェショナルのリーグとして、年々パフォーマンス・興行とも盛り上がる。
一方で、戦力外通告により”クビ”になる選手およびスタッフが、毎シーズン出る。
全ては結果。クラブが設定する目標に達しないと、「来年は契約しません」と宣告される。

非情と温情と━━プロフェッショナルと社員という身分の狭間で

ベースボールマガジン社が発信する「ラグビーリパブリック」で、興味深いコラムを見つけた。
フランスのリーグにおいて、契約満了後に次の契約が決まっていない選手の推移と
経営側と選手側の本音が赤裸々に描かれている。是非ご一読いただきたい。
「そりゃ、選手に”クビや”なんて、言いたくないですよ……」と述べる某国内ラグビー界関係者。
筆者も過去、戦力外通告をされ、通告する側どちらも経験している。
自分が通告されたときは、とくに辛い・寂しいなどのネガティブな感情は、湧いてこなかった。
(ポジティブな感情にもならなかったが……)
「まあ、実力がないから仕方がない」と、自分の責任であるとわかっていたので……
その後マネジメント側になって、選手やスタッフとの契約更新の席にいた。
シーズン終了の翌日から、オーナー会社本社に選手を呼びつける。
初日から約3日間は、戦力外の選手とスタッフへの通告。
「貴方とは、来シーズン契約をしません。移籍を希望するなら、リリースレターを発行します」
との旨のメッセージを、対象者へ放つ。
顔を真っ赤にして、怒りをぶつける者。
涙を流す者。
茫然自失となる者。
覚悟し、「これまでお世話になりました。有難うございます」と堂々と去る者……
今回想しても、しんどいシーンばかりが浮かぶ。
「人でなし」
「冷酷人間め!いつかバチが当たるぞ!」
「お前ら!仲間を切って楽しいか?」
「何であいつを”クビ”にするのだ?お前何様?」
などなど……まあ、辛辣な”台詞”に連日襲われた。
非情な人間と言われようが、やるしかない。
なぜなら、クラブの予算は青天井ではない。所謂”人件費”は「幾らまで」と決定されている。
さらに、新戦力の獲得で競合する場合は、”実弾”の余裕がないといけない。
そのような背景があり”人件費”は、少々プールしておく。
戦力外になった選手やスタッフに関しては、”クビ”なので「後は自分でどうにか食い扶持を探せ!」と言っても問題はなかった。が、希望者には各クラブのフロントを交渉し、選手やスタッフを紹介するなど実施。全員ではなかったが、移籍を決めたケースもあった。
これが、”温情”と言うのか?どうか?わからない。
今回は、フランスラグビー界の失業者増のコラムを見て、少しだけ私の経験談もとに
関係する話を連ねてみた。また改めて、この類については詳細に解説したい。

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